●「From rock to wine」畑の個性を表現することに心血を注ぐ
先代のフランツ・プラーガーはワイナリーを現在の地位まで引き上げた功労者であるだけでなく、ヴァッハウの生産者組合「ヴィネア・ヴァッハウ」の設立メンバーの一人としても尽力した。現在は、この偉大な人物を父に持つイルゼとその夫トニ・ボーデンシュテインが当主としてワイナリーの指揮を執っている。生物学・地形学研究者からワイン造りへと転身したトニは「From rock to wine」をモットーに、グリューナー・ヴェルトリーナーとリースリングから畑の個性を表現することに心血を注いでいる。畑は合計18haを所有し、ヴァイセンキルヒェン村を中心に一部は東部デュルンシュテイン村にも広がる。ドナウ川を見下ろすように急斜面に並ぶ畑は、片麻岩を主体に石がちな土壌が多く、この地では珍しい石灰を含む大理石も一部見られる。ヴィネア・ヴァッハウ所属のワイナリーには厳格なルールが課され、そのため収穫は全て手摘みで行い、除草剤や農薬は使用しない。醸造では、全てのワインに対してほぼ同じアプローチをするため味わいの違いは純粋にテロワールの違いと言える。収穫後、除梗をせずにプレスしステンレスタンクで発酵を行う。その後、最低4週間澱と共に熟成させ、瓶詰め前に濾過。プラーガーでは木樽は一切使用しない。