このように異なるバックグラウンドを持つ二人が自分達の描く理想のワインを造ってくれるワインメーカーとして白羽の矢を立てたのが、フィリップ・ゾーン(Philip Zorn)です。ニューヨークで生まれドイツで育ったフィリップは、フランクフルト郊外でブドウ栽培と醸造学を学びました。彼がドイツでワイン造りを勉強している頃、ワイン業界に大きな衝撃を与えた「パリスの審判」が行われ、カリフォルニアワインに大きな注目が注がれました。カリフォルニアでのワイン造りに大きな夢を描いたフィリップは家族と共に移り住み、ウォルター・シュッグのもとで働き始めました。その後、ナパ・ヴァレーのSunny St. Helena Winery(現在はメリーヴェール) をはじめ、多くのワイナリーでワインメーカーを勤め、自らのブランドも立ち上げました。2019年、35年に及ぶワインメーカーとしての成功を収め、引退の準備を始めたフィリップでしたが、クリスとジャスティンからこのプロジェクトへの勧誘を受け、2020年にSTEL+MARのワインメーカーに就任しました。